闘病記5 肝臓に転移
昭和大学病院で直腸癌の手術をした後、退院後の最初の診察で主治医から「数週間ごとに検査をします」との説明があった。
同時に、手術の結果、どこにも転移はしていなかった」と言われ、一応は「そうか、よかった」と一安心していた。だが、そうはいかなかったのである。
退院半年後の、7月22日の午後の大学病院の外来の診察室だった。主治医が真剣な顔でCT検査の画像を操作している。何か出たのかな? と思った。右の肝臓に転移しているようですね」主治医は私の顔を見ずに言った.1月の21日に手術をしてからやがて半年経つ。少し早いな、とは思ったが、母が胃癌の手術を受けたときも、半年後に肝臓転移が発見されたのを記憶していたので、それほど意外な感じもしなかった。これが転移性肝臓癌の告知だった。
主治医は事務的に続けて言った。「ふくおさんは(リスクがあるので)造影剤を使えない。来週の火曜日に超音波で調べます。手術ができるようならやったほうがいい。木曜日に診察を入れておきます」。転移したと言われても、年齢的なこともあり、体力的にも耐えられない。手術をする気は全くなかったが、黙っていた。
私は、やがて我が身を蝕むであろう、両親と同じ病魔と立ち向かうため、手術によらない癌の治療法が目につくと、必ず目を通してお気に入りに保存していた。その中のひとつが、肝臓癌等を直接焼ききるラジオ波焼灼療法だった。転移の事実を告げられた後、早速、お気に入りに保存の、ラジオ波焼灼療法の数々の記事を検索してみた。まず、癌研有明の記事が目についた。万一のとき、診察をお願いしたいと考えている、NTT東日本関東病院の寺谷卓馬消化器内科主任医長が紹介されている。同氏は、癌研や他の医療機関からも評価されている肝臓がんの権威である。私は早くから、自分の肝臓に異変が生じたときは、この先生に診てもらいたいと心に決めていた。図らずも今、その機会が訪れたのである。NTT東日本関東病院は我が家と同じ品川区内で通院可能である。だが、原発癌は昭和大学病院で手術を受けている以上、同病院でラジオ波焼灼療法を取り入れているのであれば、そこで治療を受けるのが筋である。早速、昭和大学病院のHPの放射線科の説明を見た。同病院でもラジオ波焼灼療法を取り入れている。だが、癌の大きさ、数によっては焼灼療法を断る病院もあると知っていたので、念のため、NTT東日本関東病院のHPで寺谷医師の診察日を調べ、予約なしの診察は月曜日だけと確認しておいた。こうして、あとは昭和大学病院の超音波検査を待つことにした。
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